肺がん
肺がんは罹患数が男性で3位、女性で4位、死亡数は男性で1位、女性で2位です。
罹患数および死亡数は男女ともに増加傾向であり、40歳代後半から増加し、高齢になるほど高いと言われています。
肺がんに罹患する最大の原因はタバコの喫煙であり、喫煙している限り、肺がんになるリスクは10倍以上上昇すると言われています。
治療法
肺がんは非常に小さな状態で発見された場合、定位放射線治療(ピンポイント照射)と手術成績に差がないと言われています。
一方、リンパ節転移がすでに存在している場合は、手術や化学療法を併用した放射線治療が第一選択となりますが、全身状態などにより手術や化学療法が施行出来ない場合は、放射線治療が行われることがあります。
当院で治療対象となる具体的な適応
定位照射
- 腫瘍最大径が5㎝以下で転移のない非小細胞肺がん(T1-2aN0M0)
- 組織型は未確定だが画像診断で早期肺がん(T1-2aN0M0)が強く疑われる症例
- 転移性肺がんのうち、肺の病巣が最大3cm、3個以内で他の部位に転移のない症例
通常照射
- 遠隔転移のない非小細胞肺がんおよび小細胞肺がん(T1-4N0-3M0)
- 手術後に遺残もしくは再発を認める非小細胞肺がん(遠隔転移例を除く)
当院で行う定位放射線治療(ピンポイント照射)
息を止めるピンポイント照射
“アブチェス”という、呼吸による胸腹部の2か所の体動レベルを検出する呼吸センサーを用いて、患者様ご自身で呼気で息を止めていただき、体内での腫瘍の位置精度を確保してピンポイントで高線量を照射します。
呼吸しながらのピンポイント照射(動体追尾照射)
当センターに整備されました三菱Vero 4DRTを用いると、腹壁に置いたマーカーと腫瘍周囲に留置された金マーカーの呼吸性移動を感知し、それぞれを関連づけることが出来るため、常に腫瘍の位置同定が可能です。従って、腹部の圧迫や呼気の息止めの必要がなく、通常の呼吸をしながらの照射が可能であり、患者様の治療中の負担は大きく軽減されます。(「高精度放射線治療とは」を参照してください)
なお、個々の患者様で状況が変化致しますので、具体的な適応や放射線治療の方法については担当主治医から詳しく説明をお聞きになってください。